新潟県出身の僕は、高校時代を地元の県立校で過ごしました。この新潟県は誰もが知る通りに日本海に面している地域で、冬は日本有数の降雪量を誇っています。そのため、僕たちのようなこの辺りで生まれ育った子供は、自然と雪に親しんだ生活の仕方が身に付いてくるものです。
その一例として、「新潟ならではの子供のころに勝手に見に付いてくる特技」を挙げてみると、「スキー」がその筆頭に来るでしょう。僕は両親に毎週のようにスキー場に連れていかれたこともありますが、小学校の授業でもごく当たり前にスキーを扱う特別授業が毎冬あって、たいていの子供たちが小さいうちから滑れるようになるのです。

また、これら特技とは別に「生活における雪との付き合い方」にも慣れていきます。これは、新潟のように冬場に氷点下を下回る気温になる地域なら常識ですが、「夜眠っている際は水道をほんの少しひねっておいて、チョロチョロと水を通しておく」ということがあるのです。
これは、夜半に気温が氷点下になって水道管が破裂してしまうのを避けるための生活の知恵なのですが、この他、冬の寒さが厳しいこの辺りは水道周辺のパーツがどうも摩耗しやすいらしく、両親からは「水回りは毎日目を光らせて、少しでもパッキンなどの摩耗で水漏れが確認出来たら、すぐ交換すること」と教え込まれます。

太平洋側の温暖な地域で育てば、こういう知識は不要なのだろうなと思いますが、これはこれで将来何かの役に立つと、僕は考えているのです。